大谷翔平がドジャース入団会見でつけていたグランドセイコーの腕時計とは?

 今回は、メジャーリーグロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平選手が入団会見でつけていたグランドセイコーの腕時計について紹介したいと思います。

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 大谷選手がつけていたのは、グランドセイコーのエレガンスコレクションの中の一つ、SBGR261というモデルです。このモデルは、グランドセイコーの代表的なデザインである「セイコースタイル」を受け継ぎながら、現代のエレガンスを表現するために進化させた「エボリューション9スタイル」と呼ばれるデザイン文法に基づいて作られています。

エボリューション9スタイルとは?

 エボリューション9スタイルとは、グランドセイコーのデザイナーである野村慎一郎氏が考案した、グランドセイコーのデザインを次の時代に引き継ぐための新しいデザイン文法です。野村氏は、グランドセイコーのデザインの特徴である「平面性」「対称性」「モジュラリティ」を踏襲しつつ、以下のような要素を加えています。

  • ケースの形状をより流麗にするために、曲面と直線を組み合わせた「カーブドライン」を採用
  • 文字盤の視認性を高めるために、インデックスや針の形状を細くシャープにした「スリムインデックス」を採用
  • ケースとブレスレットの一体感を高めるために、ブレスレットの幅を徐々に細くする「テーパードブレスレット」を採用

これらの要素によって、グランドセイコーの腕時計は、より洗練された印象になりました。また、エボリューション9スタイルは、グランドセイコーのムーブメントの進化にも対応しています。グランドセイコーは、機械式、クオーツ、スプリングドライブという3つの異なるムーブメントを搭載することで、時計の本質である精度、耐久性、美しさを追求しています。エボリューション9スタイルは、それぞれのムーブメントの特徴を最大限に引き出すために、ケースの厚さや重さなどを調整しています。

SBGR261の特徴

 SBGR261は、エボリューション9スタイルの中でも、機械式ムーブメントを搭載したモデルです。機械式ムーブメントは、時計の中にあるぜんまいが動力源となり、ゼンマイの巻き上げや解放を調整する機構によって時刻を刻みます。グランドセイコーの機械式ムーブメントは、高い精度と安定性を誇ります。SBGR261は、9S65というキャリバーを搭載しており、日差は平均で+5秒~-3秒という高い精度を実現しています。また、パワーリザーブは約72時間という長時間の持続力もあります。

SBGR261のケースは、エボリューション9スタイルの特徴であるカーブドラインとテーパードブレスレットを採用しており、腕になじむような優美なフォルムをしています。ケースの直径は39.5mm、厚さは13.1mmというサイズで、機械式ムーブメントを搭載しながらも、薄型で軽量な仕上がりになっています。ケースとブレスレットは、ステンレススチール製で、表面はツヤ消しとミラー仕上げのコントラストが美しい「ザラツ研磨」で仕上げられています。ザラツ研磨とは、グランドセイコーの職人が特殊な砥石を使って行う独自の研磨技法で、ケースの曲面や角度に合わせて砥石の角度や圧力を微調整しながら、一つ一つ丁寧に磨き上げます。この技法によって、ケースはどこから見ても美しく光を反射します。

SBGR261の文字盤には、エボリューション9スタイルの特徴であるスリムインデックスが施されており、視認性を高めています。インデックスや針は、ダイヤモンドのような輝きを放つ「デュアルカーブサファイアガラス」によって保護されています。デュアルカーブサファイアガラスとは、ガラスの内側と外側の両方に曲面をつけた特殊なガラスで、反射を抑えて文字盤を鮮明に見せるとともに、ガラスの厚さを薄くすることで、ケース全体の薄型化にも貢献しています。

SBGR261の裏蓋には、機械式ムーブメントの動きを楽しめる「シースルーバック」が採用されています。シースルーバックからは、9S65のムーブメントが美しく仕上げられた部品や、グランドセイコーのロゴが刻印されたローターが見えます。ローターは、時計を動かすためのぜんまいを自動的に巻き上げる役割を果たします。ローターは、時計を着用している間に腕の動きに合わせて回転しますが、回転方向によってはぜんまいに力が伝わらない場合があります。そこで、グランドセイコーは、回転方向に関係なくぜんまいに力が伝わるようにする「マジックレバー」という独自の機構を開発しました。マジックレバーは、ローターの回転を効率的にぜんまいに伝えることで、パワーリザーブの向上や巻き上げ時間の短縮に貢献しています。

 

 グランドセイコーのSBGR261は、高い精度と耐久性を備えた機械式ムーブメントと、洗練されたエレガンスを兼ね備えたデザインを持つ、まさにグランドセイコーの代表作と言えるモデルです。このモデルは、日本の伝統的な美意識と最先端の技術が融合した、グランドセイコーの哲学を体現しています。大谷選手は、このモデルをドジャース入団会見でつけることで、自身の日本人としての誇りと、メジャーリーグでの挑戦という新しいステージへの決意を表現したのではないでしょうか。

SBGR261は、価格も手頃で、一般の時計ファンにも手に入れやすいモデルです。グランドセイコーの公式サイトでは、税込みで572,000円で販売されています。もし、あなたも大谷選手と同じ腕時計をつけてみたいと思ったら、ぜひチェックしてみてください。

 

 

参考文献