社会保険料が高い 改めて考える

なぜ社会保険料が高いのか?

 社会保険とは、病気やケガ、出産、死亡、老齢、障害などの場合に、医療費や年金などの給付を受けることができる制度です。社会保険には、医療保険、年金保険、雇用保険労災保険介護保険の5種類があります。社会保険は、国が運営する公的な制度であり、すべての日本に住む人は、適切な社会保険に加入することが義務付けられています。

社会保険の給付は、社会保険料という名の税金で賄われています。社会保険料は、収入に応じて一定の割合で徴収されます。例えば、会社員の場合、給与の約20%が社会保険料として天引きされます。そのうちの半分は、会社が負担してくれますが、残りの半分は、自分で負担しなければなりません。社会保険料は、毎月の給与から自動的に引かれるので、実際に手元に残るお金は、給与の約60%程度になります。

社会保険料が高いのは、日本の人口が高齢化しているからです。高齢化とは、人口の中で高齢者の割合が増えることを言います。高齢者は、医療や年金などの社会保険の給付を多く受ける傾向がありますが、社会保険料を払う人は、若い世代が中心です。つまり、社会保険は、若い世代から高齢者へのお金の移動という側面があります。しかし、日本では、出生率が低く、若い世代の人口が減っています。そのため、社会保険の給付を支えるためには、社会保険料を高くしなければならなくなっています。

 

社会保険料を下げる方法はあるのか?

 社会保険料を下げる方法は、大きく分けて2つあります。一つは、社会保険の給付を減らすことです。例えば、年金の支給開始年齢を上げたり、支給額を減らしたりすることで、社会保険の負担を軽くすることができます。しかし、これは、高齢者の生活を困難にする可能性があります。また、社会保険の給付を受ける権利を奪うことにもなりかねません。社会保険は、一生懸命働いて社会保険料を払ってきた人たちのための制度です。その人たちに対して、社会保険の給付を減らすことは、不公平だと感じる人も多いでしょう。

もう一つの方法は、社会保険料以外の税金を増やすことです。例えば、消費税や所得税などの一般税を上げて、社会保険の財源を確保することができます。これは、社会保険料だけでなく、他の税金も負担することになるので、社会保険料の負担を分散させることができます。しかし、これも、税金の負担が重くなることで、国民の生活や経済活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税金を上げることは、政治的にも難しいことです。税金を上げることに反対する人は多く、政府や与党に対する不信感や不満が高まることもあります。今の物価高も相まって、これ以上増税なんて参ってしまいますね。

社会保険料が高いことのメリットはあるのか?

 社会保険料が高いことのメリットは、社会保険の給付が充実することです。社会保険の給付は、私たちの生活を安心させてくれるものです。病気やケガをしたときには、医療費の大部分が社会保険でカバーされます。老齢になったときには、年金で生活費の一部が補われます。失業や介護などの場合にも、社会保険が支援してくれます。社会保険は、私たちが困ったときに助けてくれる、大切な味方です。社会保険料が高いということは、社会保険の給付が豊かであるということでもあります。社会保険の給付が豊かであれば、私たちは、将来に対して不安を感じることが少なくなります。また、社会保険の給付が豊かであれば、私たちは、自分の好きなことややりたいことに挑戦することができます。社会保険は、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めているのです。しかし,徴収したお金が適正に使われるかは別の話ですが、、、

まとめ

 社会保険料が高すぎると感じる人は多いかもしれませんが、社会保険料が高いことには、理由とメリットがあります。社会保険料が高いのは、日本の少子高齢化が大きく影響しているといえます。社会保険料を下げる方法は、社会保険の給付を減らすか、他の税金を増やすかのどちらかです。しかし、どちらも完璧な解決策ではありません。社会保険の給付を減らすと、高齢者の生活が困難になります。他の税金を増やすと、国民の負担が重くなります。では、どうすればいいのでしょうか?

 

社会保険料の問題に対するよく聞く提案

  • 人口の減少と高齢化に対応するために、出生率の向上や移民の受け入れを促進すること。これにより、社会保険の負担を支える若い世代の人口を増やすことができます。
  • 社会保険の給付を受ける人の自己責任を高めるために、健康づくりや予防医療の推進、年金の個人貯蓄の奨励などを行うこと。これにより、社会保険の給付を必要とする人の数を減らすことができます。
  • 社会保険の財源を多様化するために、社会保険料だけでなく、一般税や社会保険基金などの資産運用なども活用すること。これにより、社会保険の財政を安定させることができます。

 これらの提案は、すべて簡単に実現できるものではありません。しかし、社会保険料の問題は、私たちの将来に関わる重要な課題です。私たちは、この問題に真剣に向き合い、解決策を探していく必要があります。

参考文献

以下の文献を参考にしました。

  1. 厚生労働省. (2020). 社会保障制度の概要. 厚生労働省.
  2. 内閣府. (2019). 高齢社会白書 平成31年度版. 内閣府.
  3. 日本経済新聞社. (2020). 社会保険料、給与の20%超える 高齢化で負担増. 日本経済新聞.